徹底したジュブナイル 成恵の世界
成恵と和人のカップルはそのまま中学生カップルを全うしていわゆる恋愛ものにつきもののよろめき話とかはまったくなく、実に健全に1巻から最終巻までをほのぼのとした関係を貫き通した。心の揺らぎがないということはつまりラブコメにもなっていないのだ。
これは多分に作者が本当にジュブナイルSFを描きたいと思い、それを徹底させたということだろう。それだけにむしろ物語として本当に魅力的なのは成恵と和人のカップルの回りに配されたそれぞれのキャラクターなのだから。
二人のクライマックスの行動にはなにか納得というか、「うん、これなんだよなあ。いまどきスネたSFマンガでは恥ずかしくて描けないような、こんなシーンこそが『成恵の世界』の真骨頂なんだよなあ」と素直に感動してしまった。
